地鎮祭とは「じちんさい」「とこしずめのみまつり」と読みます。土地の神様にご挨拶をして、これから住まわせていただく、建物を建てさせていただく事を神様に報告をして工事の安全と建物の安全堅固にご加護をいただくように願う儀式です。
歴史的には初代天皇である神武天皇が橿原にて宮殿を建てる際に「坐摩神いかすりのかみ」を祀り起工されたとされいます。坐摩神は敷地の神ですので地鎮祭が行われたことが想像できます。また藤原京の建設のため地鎮祭を行った記録が日本書紀に記されております。こうしたことから八百万の神様を信仰する日本では古来から地鎮祭を行ってきており、個人宅でも何かしらの儀礼がおこなわれてきたことが想像されます。
ではやるべきなのか、やらなくていいのか。
日本国内で工事をされる場合はやるべきだと思います。戸建て住宅の場合、
①工事の安全を祈願する
②建設後の家内安全。
が大きな目的になります。安全に工事するという神様との約束を行う場所が地鎮祭です。施主と施工会社が工事の安全を祈願する事は決して無駄な時間にはなりません。またこれから長い間家族を守り、その後の生活が幸せに送れることはみんなの願いです。ひとつの大きな目的の為に神様のご加護をいただくことで、悔いの無い満足できる家づくりができると思います。
また地鎮祭を執り行う事で、施主だけでなく親族(ご両親や家族)と工事関係者(社長から営業、現場監督など)が、お互いの人柄に初めて触れる日となります。地鎮祭後は現地の説明やご近所の工事開始の挨拶を行うことが多く、様々なきっかけになります。
地鎮祭を行わない理由は主に
①予算確保ができない
②施工会社が地鎮祭をしたがらない
③施主の思想などがあります。
地鎮祭の予算は、現地の設置費用(数千円から10万円)、玉串料(5万円程度)、引き出物を準備する場合(参加者や近隣の人数)となり合計すると5万円〜20万円ほど費用がかかります。現地の設置は細竹4本、細縄、砂山、テント(雨天時、猛暑日など)、長机、イスとなります。これらをレンタル業者や施工会社などで準備してもらうことが多いです。
予算や施工会社が地鎮祭をしたがらないなど事情がある場合は、どうぞ神社にご相談ください。
人生に1度経験するかしないかの地鎮祭。どうぞ悔いのないようにご計画ください。